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物流の2024年問題をわかりやすく解説!深刻な3課題と対応策

2023.07.21

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2024年問題とは、物流業界が近い将来直面する課題をわかりやすくキャッチーに表現したものです。しかし、物流業界では2024年にどういった問題に直面するのかと聞かれると具体的に答えられない人もいるでしょう。本記事では2024年問題を簡単にわかりやすく解説し、対応策もいくつか紹介します。

物流の2024年問題とは?

物流業界における2024年問題とは、わかりやすく紹介すると2019年4月1日に施行された働き方改革関連法によって、2024年度4月1日以降、自動車運転業務人材の年間時間外労働時間が960時間と制限されることで発生が懸念される問題です。

働き方改革関連法では、時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間に制限されています。従業員である労働者、企業や組合といった使用者の労使双方が話合いの上、三六協定を結んだとしても、法定時間外労働は年720時間以内ですが例外が存在します。愛知県労働局の資料「働き方改革関連法」の概要を参考に説明します。

働き方改革関連法で定められた時間外労働時間の上限規制適用について、大企業では2019年4月以降、中小企業では2020年4月以降「自動車運転に関連する業務」には5年間の猶予が与えられています。運送業やトラック運転手、バスやタクシーといった旅客車運転手などが該当するのですが、こうした業種の働き方の現状と働き方改革関連法で言及された時間外労働時間の上限制限の両立は、実現に時間を要すると認められたからです。

2024年3月31日までは、トラックドライバーには時間外労働の上限規制が実質存在しません。2024年4月1日以降は、業種上の特例として労使が協定を結んだ場合にのみ、上限960時間、月平均80時間の時間外労働時間制限が施行されます。ただし、将来的には他の業種同様、年間時間外労働時間は上限720時間に制限される見込みです。

物流の2024年問題の3課題

以前よりドライバーに関しては、需要は増しているのにも関わらず、燃料などの物流コストの上昇が一因となり基本賃金が上がらないことなどを理由に人材離れが進んでいます。数年中に少子高齢化社会の進行が加速すれば、ドライバーの数は減少の一途をたどるでしょう。

そこで政府は、国土交通省や経済産業省が中心となり「長時間労働を是正し、労働生産性を上げることでドライバーの働き方や賃金に還元していこう」と今回の時間外労働時間の制限に踏み込んだといわれています。同時に、専門家からはこの指針により、物流業界で数々の問題が起こると指摘もされています。わかりやすくいえば、それらこそが「物流の2024年問題」です。2024年度以降、噴出が懸念される問題点を大きく3つに分けて解説します。

人材不足の深刻化

自動車運転事業の売上の原資は、ドライバーの労働量です。働き方関連法を遵守し、ドライバーの労働時間を減らせば、売上も比例して下がると見られています。また、時間外労働が減れば、ドライバーの収入の中で大きな割合を占める、時間外手当が減少します。ドライバーの労働時間、つまりは労働量の減少により、企業全体の売上も減少し基本賃金の向上も期待できないでしょう。

特に、運送業をはじめとする物流業界では、時間外労働時間が減ることでドライバー個人に時間的な余裕はできても、金銭面や体力面、精神面で無理な負担が課されるのではないかと危惧されています。2024年4月以降、物流業界でのドライバーが離職を選ぶケースが増える可能性が高いです。

輸送能力の減少

2024年4月以降、ドライバーの業務時間に制限を設けることで労働力が減少するのは明白です。毎日平均して12時間稼働していたドライバーが9時間しか稼働できなくなれば、単純計算で労働力の25%が減少します。

経済産業省が主導する「持続可能な物流の実現に向けた検討会」では、2024年以降、営業用トラックの輸送能力が2024年には14.2%、2030年には34.1%不足する可能性があると試算しています。それに加え、ドライバーの人材不足も深刻化すれば、国内の物流が滞る未来もあり得るでしょう。

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出典:経済産業省 持続可能な物流の実現に向けた検討会 15 最終取りまとめ(案)

国民生活への悪影響

公益社団法人全国トラック協会のホームページには、ドライバー不足や物流業界の労働力不足により、メーカーなど荷主の企業が輸送手段を欠き「材料が届かない」「商品が作れない」といった状況に陥る未来を示唆しています。現実になれば、一般消費者にも「商品が届かない」「手に入らない」といった状況も起こりえます。

ひいては、さまざまな商品に対して、現在よりさらに深刻な値上げが起こりかねません。多くの一般消費者は「2024年4月を迎えたから」といって収入が変動するわけではないので、物の値段だけが上がり、さらなる買い控えを招き景気がますます冷え込む危険性も秘めているのです。

関連記事:物流・運送業界が直面する「2024年問題」|要点と対策を解説!

物流の2024年問題の対応策とは?

物流企業や物流業界に関連する企業では、2024年4月以降、国内がこうした状況に陥るのを指をくわえて見ているしかないのでしょうか?物流の2024年問題を解決するために今からできる対応策をわかりやすく紹介します。

福利厚生で従業員の待遇を改善

2024年4月を目前に控え、物流企業は、ドライバーをはじめとする従業員の離職を防ぎ、新たな人材を確保するために、従業員の待遇改善に乗り出すべき時期を迎えています。とはいえ、燃料価格の高騰や物流業界内の価格競争などにより、すぐに賃金アップを確約できる物流企業は限られるでしょう。

そこで、福利厚生を手厚くして従業員の待遇を改善し、満足度向上を図る方法も有効です。特に、現在国民の生活を圧迫している食費補助の福利厚生は、従業員の暮らしや健康に直結するものとして、企業へのロイヤルティや従業員自身のやる気につながりやすいです。

株式会社エデンレッドジャパンが2020年に行った、ビジネスパーソンと企業を比較した「働き方・待遇に関する意識調査」では「今後、待遇・働き方について自社に望むこと」の設問に対し、全国の中小企業に勤める30~50代の正社員男女600名が「基本給のアップ」「賞与額のアップ」「手当の充実」といった金銭面の次に「福利厚生の充実」を望むと回答しました。

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出典:株式会社エデンレッドジャパン 「働き方・待遇に関する意識調査」

そこでおすすめなのが、全国各地の飲食店やコンビニ、お弁当屋などで食費の半額補助を行える電子カード配布型の食事補助サービス「チケットレストラン」です。チケットレストランを導入する企業では、利用率99%・継続率98%・満足度90%という結果が出ています。

また、チケットレストランへの加盟店は、2023年5月現在25万件を超え国内全域に拡大中です。全国をトラックで横断するドライバーには重宝されるサービスでしょう。

荷主の意識改革

公益社団法人全国トラック協会のホームページでは、荷主の意識改革の必要性も説いています。運送方法や運送事業者の選択肢が増えたことにより、荷主である企業が物流企業に無理難題を押し付けたり、運賃を値切ったりするケースが横行していました。しかし、今後は労働力が限られるため物流企業も客を選ぶようになるでしょう。

無理なスケジュールや運賃を物流企業に押し付けている企業は、意識を改める必要があります。さらに運搬以外にかかる経費、燃料サーチャージや附帯作業料金、高速道路利用料なども「荷主企業負担が当然」という考え方が主流になるでしょう。

また、ドライバーが運搬に労働時間の多くを割けるよう、積み荷や仕分けなども荷主企業が担当するなどの体制を整えるべきです。

コストに見合った運送料設定

物流企業側も、自社の従業員や事業を守るために運送料を見直し、取引先に理解させる覚悟が必要とされます。コストやスケジュールに見合わない運送料では自転車操業や離職率の増大につながりかねません。現場のドライバーが一時の売上や荷主のために、看過しがたい不公平な状況に陥る事態だけは避けるべきです。企業のブランドイメージの低下や深刻な労働力不足を招き、事業継続の危機に陥る可能性もあるでしょう。

物流の2024年問題解決にはドライバーの待遇改善が先決

物流の2024年問題は、わかりやすくいえば年間時間外労働時間の上限が自動車運転業務にも発生することにより、ドライバーの待遇低下や離職、労働力不足から一般消費者の生活や景気にまで影響を及ぼすことを指しています。

ただし、基となった働き方改革関連法は、労使が気持ちよく協力しあい、生産性を上げ、より良い未来を創るために施行されたものです。ネガティブな面だけを取り上げるのではなく、ドライバーの待遇や業務の質を上げられるよう物流に関わる企業は努力すべきです。まずは食事補助の福利厚生サービスとして「チケットレストラン」導入を検討してみませんか?

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