Workers Bistro

-働く人と働きたい人のための福利厚生マガジン-

【かんたん理解】福利厚生費とは?平均額や経費計上の注意点を解説

2020.04.16

チケットレストランを詳しくみる

求職者に企業の魅力をアピールすることができる福利厚生。福利厚生にかかる費用は条件を満たせば損金算入することができ、経費計上が可能です。また、一部の福利厚生は、給与所得とみなされずに従業員が非課税で受け取ることができます。

しかし、何が福利厚生費になるのか、何を自社に導入すると良いのか悩んでいる人事担当者や経営者もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、福利厚生費とはなにか、他社がどんな福利厚生を導入しているのかご紹介します。

福利厚生費には法定福利費と法定外福利費がある

福利厚生とは企業が従業員に対して支給する給与以外の報酬のことで、それにかかる費用が「福利厚生費」です。たとえば、社会保険(厚生年金や保険料など)や通勤費、社員旅行などが挙げられます。

福利厚生費は、「法定福利費(法定内福利)」と「法定外福利費」の2つに分けられ、どちらに該当するかによって経費計上の条件が異なります。

法定福利費とは

法定福利費とは、法律により企業負担を義務づけられている福利厚生費です。代表的なものは社会保険です。雇用保険・健康保険・介護保険・労災保険・厚生年金保険の事業負担額が法定福利費となり、経費の対象となります。

法定外福利費とは

法定外福利費とは、法定福利費以外のことです。たとえば、住宅手当、交通費、健康診断費、慶弔手当、育児・介護の時短勤務、資格取得支援や食事補助などです。

これらは企業が独自で決めることができますが、「福利厚生費」として経費計上するには「すべての従業員が対象」「常識的な範囲内の金額」という条件を満たす必要があります(別途、項目別の条件の確認も必要)。

福利厚生費の平均月額は前年度比4.8%増の113,556円

福利厚生費の相場は、企業規模やどのような福利厚生を導入するのかで変わってきます。2019年12月に公表された「第63回 福利厚生費調査結果報告」によると、2018年度の福利厚生費は従業員一人一か月平均113,556円で、そのうち法定福利費は88,188円、法定外福利費は25,369円で前年度より増加しています。

ここでは、本調査に基づく福利厚生費(法定福利費と法定外福利費)の相場を従業員規模別に紹介します。

法定福利費の平均月額

【従業員規模別の法定福利費の平均値】
500人未満:75,734円(前年比-0.8%)
500~999人:76,647円(+4.9%)
1000~2999人:82,320円(+2.4%)
3000~4999人:89,028円(+2.5%)
5000人以上:89,731円(+4.4%)

従業員1人当たりの法定福利費は、企業規模に関わらずどの企業も7万円を上回っています。全産業平均では 88,188 円となっており、前年度に比べて 3.9%の増加でした。

主な増加の要因は、現金給与総額の増加に伴う社会保険料の増加です。法定福利費の構成は、厚生年金保険が最も大きく55%、次いで健康保険・介護保険が35%を占めています。

法定外福利費の平均月額

【従業員規模別の法定外福利費の平均値】
500人未満:15,458円(前年比-13.5%)
500~999人:15,353円(-2.7%)
1000~2999人:15,353円(+1.8%)
3000~4999人:26,056円(+10.1%)
5000人以上:26,939円(+9.2%)

企業規模1000人以上の法定外福利費は、働き方改革や健康経営の注目もあり増加しています。全産業平均では25,369 円となり、前年度比 8.2%増と大幅な増加となりました。

法定外福利費のなかでも、健康診断費(18.1%増)や食事補助(16.1%増)、子育て支援(8.1%増)に関する福利厚生の増加が目立ちます。2018年度にほぼすべての項目が増加しているのは、労働人口減少による人手不足の対策として(賃金および法定福利の増額後に)法定外福利費の見直し段階に入ったと考えられます。この流れが企業規模1000人未満の企業にも波及して、中小企業やベンチャー企業でも検討対象となっているかどうかは次回2019年度の調査結果が待たれます。

近年、健康や食事補助に関する福利厚生が重視されている

調査でもあったように、健康サポートや食事補助に力をいれる企業が増え、法定外福利費が増加傾向にあります。

■医療・健康:健康診断、人間ドック費をサポート
経済産業省の推進する“健康経営”が注目されていることもあり、法定外福利の中でも医療・健康に関する福利厚生を充実させる企業が増加しています。

  • 健康診断、人間ドック費用の補助
  • フィットネスジム費用の補助
  • 仮眠室、リラックススペースの設置 など

これは、従業員の心身を健康維持や増進への取り組みが長期的な業績向上や企業価値の上昇につながるとしており、従業員の体調不良によるパフォーマンス低下や休職および退職を防ぐ意味でも有効です。

■食事補助:社員食堂、弁当支給、食事代補助など
食事は従業員にとって不可欠な出費のため、食事補助は福利厚生の中でも人気のひとつです。会社から補助があると、健康面だけでなく経済的な支援につながります。また、結果的に会社の生産性にも良い影響をもたらします。

  • 社員食堂
  • コンビニや近くのレストランで使える食事券
  • 仕出し弁当 など

食事券であれば、内勤・外勤問わず利用しやすく、社員食堂を設けることが難しいい中小規模の会社でも導入しやすいというメリットもあります。健康経営の観点からも、従業員の健康があってこそ企業の発展がある、ということを企業が理解・実践している証と言えそうです。

導入事例ダウンロード