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ウェルビーイングとは?健康経営との違いや経営上の役割を徹底解説!

2023.07.17

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「ウェルビーイング」と「健康経営」の違いについて、分かっているようでよく分からないという人は少なくありません。ビジネスシーンでにわかに注目度を高めている「ウェルビーイング」の概念について、経営上で果たす主な役割や、実践方法も含め整理していきましょう。また、ウェルビーイング実現に役立つ福利厚生サービス「チケットレストラン」についても合わせて紹介します。

ウェルビーイングとは?

健康と関連して語られることの多い「ウェルビーイング」ですが、実際のところどのような意味を持つ言葉なのでしょうか?まずは、知っているようで知らないその意味やエピソードを紹介します。

「満たされた状態」を表す概念

「ウェルビーイング(well-being)」は、直訳すると「よく在る、よく居る」で、一般的な解釈としては「あらゆる面で満たされた状態」を指す言葉です。ウェルビーイングが示す「よい状態」とは、「身体」や「精神」に留まりません。心身の健康や安全に加え、「社会的な側面からの健康や安全」もかなえられて、初めて「ウェルビーイングな状態」といえます。

なお、比較的新しい概念と思われがちなウェルビーイングですが、初出は1946年にさかのぼります。1946年7月22日、WHO(世界保健機関)設立時に採択された世界保健機関憲章の前文において、次のようにウェルビーイングが言及されました。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。

出典:公益社団法人 日本WHO協会|世界保健機関(WHO)憲章とは
つまり、たとえ心身が健康であったとしても、経済的に恵まれなかったり、望んだキャリアを築けなかったりする場合、ウェルビーイングな状態とはいえません。ウェルビーイングは、人の表面上の健康や幸せではなく、本質的な健康や幸せを計る概念なのです。

ウェルビーイングと健康経営の違い

ウェルビーイングがビジネスの分野で取り上げられる際、しばしば合わせて言及されるのが「健康経営」です。ウェルビーイングと健康経営との違いとは、いったいどのようなものなのでしょうか?

健康経営とは?

経済産業省は、「健康経営」を以下のように定義しています。

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。
健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。

出典:経済産業省|健康経営

健康経営では、「企業による従業員の健康に対する取り組み=企業の業績向上や株価向上のための投資」ととらえます。健康経営は政府の取り組みでもあり、平成28年度には「健康経営優良法人認定制度」も創設されました。健康経営の考え方が浸透していくのに比例して、「健康経営優良法人認定制度」へのエントリー数も年々増加しています。

健康経営の実現を支えるウェルビーイング

前述のとおり、「健康経営」は、業績向上を念頭に置いた企業戦略をいいます。対する「ウェルビーイング」は、「あらゆる面で満たされた状態」を意味する概念であり、具体的な施策を意味するものではありません。

なお、近年急速に認知度を高めているのがウェルビーイングを経営上の施策とする「ウェルビーイング経営」です。「ウェルビーイング経営」は、ウェルビーイングの理念のもと、従業員1人ひとりがやりがいを持ち働ける職場環境の提供を通じ、自社にかかわるすべての人の幸せを目指す経営手法をいいます。

このように、「ウェルビーイング」そのものと「健康経営」とはまったくの別物です。ただし、「ウェルビーイング経営」と「健康経営」とでは、健康経営の発展形がウェルビーイング経営といえます。

企業がウェルビーイングを実践するメリット

ビジネスシーンにおいて、ウェルビーイングが注目度を高めているのは、ウェルビーイングの実践が企業に大きなメリットをもたらすことが明らかになってきたからです。ここでは、企業がウェルビーイングを実践することで得られるメリットを整理します。

生産性・業績の向上

企業が従業員のウェルビーイングに取り組み、その成果が表れるようになると、企業として生産性の向上が期待できます。というのは、ウェルビーイングが高まった従業員は、あらゆる面で満たされているだけに、自身の業務に集中して取り組むことができるからです。

集中力の高まりは、生産性の向上とともにミスの予防にも役立ちます。ミスによって生じていた目に見えない時間やコストも最小限に抑えられ、同じ人数や時間でより多くの利益を生み出せるようになります。

ウェルビーイングの実践は、業績向上や企業の成長にとって大きく貢献する施策なのです。

従業員満足度・従業員エンゲージメントの向上

従業員満足度は、勤務先企業に対し、従業員がどれだけ満足しているかを表す指標です。また、従業員エンゲージメントとは、勤務先企業に対して従業員が抱く愛着や貢献意欲の指標です。

ウェルビーイングに取り組む企業では、従業員にとって働きやすい環境が自然と整えられます。働きやすさは従業員満足度・従業員エンゲージメントの向上につながり、ひいては従業員1人ひとりの仕事に対するモチベーションの向上が期待できるのです。

優秀な人材の獲得・定着

労働人口が減少の一途をたどり、キャリアアップのための転職も一般的なものとなった近年、企業にとって優秀な人材の獲得や定着は重要な課題です。企業規模にもよりますが、人材の獲得や定着がうまくいかず、廃業を迫られるケースも決して珍しくありません。

その点、ウェルビーイングの実践に取り組み、従業員の幸せや安全に配慮する企業は、人材にとって非常に魅力的な存在です。魅力的な企業には人材が多く集まることから、多くの採用希望者の中からより優秀な人材を獲得できます。また、離職率が低下するために、育て上げた人材が他社へ流れてしまうリスクも緩和されます。

ウェルビーイングを通じた従業員の幸せの追求は、企業の存続や成長の観点からも大きなメリットがあるのです。

コスト削減

従業員が抱える心身の健康問題は、企業にとってコスト増の要因となります。なおここで言及するコストとは、企業が負担する医療費に限りません。

例えば、人が心身に不調を抱え、業務が遂行できない(欠勤)状態を「アブセンティーズム」といいますが、アブセンティーズムは、本来生み出されるはずの利益を奪うものです。

また、欠勤こそしていないものの、心身の不調が業務の遂行に影響し、本来のパフォーマンスを発揮できない状態を「プレゼンティーズム」といいますが、プレゼンティーズムもまた、企業が本来得られるはずの利益を奪います。

このように、従業員の心身の不調は、医療費の負担を含めて企業の大きなコスト要因となっています。企業がウェルビーイングに取り組み、従業員の健康増進をサポートすることは、これらのコスト削減に役立つのです。

企業イメージの向上・ブランディング

Webメディアの発展やSNSの普及に伴い、企業のイメージ戦略の重要性は年々高まっています。あらゆる情報が瞬時に拡散されていくことを踏まえると、社会に対しいかによいイメージを与えるか、企業としてのブランド力をいかに高められるかが、企業の未来を左右するといっても過言ではありません。

その点、ウェルビーイングへの積極的な取り組みは、社会に対する「従業員へ貢献する企業」「先進的な企業」としての無言のメッセージになります。

消費者や顧客にとって第一の選択肢となることで、唯一無二の企業として安定した地位を築くことができるのです。

企業におけるウェルビーイングの課題

企業がウェルビーイングを実践するためには、何よりもまず現時点で従業員が抱える問題について知っておかなければなりません。一般的な企業において、ウェルビーイング上の主な課題にはどのようなものがあるのでしょうか。

過労やストレス

日常的に過労やストレスを抱える人は、心身の不調を生じやすい傾向にあります。過労やストレスの具体的な要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 業務量が多すぎる
  • スケジュールに余裕がない
  • 努力や貢献が評価に結びつかない
  • プライベートの時間が確保できない
  • 業務内容が適性に合っていない

過労やストレスは、心身の不調の大きな原因です。ウェルビーイングに取り組むのであれば、真っ先に注目したいポイントといえます。

長時間労働

日本のビジネスシーンにおいて、長時間労働はかねてより深刻な課題とされてきました。ワークライフバランスの重要性が叫ばれる近年でも、残業や休日出勤を当然のように求められるケースは少なくありません。

長時間労働の主な弊害としては、過労や寝不足といった身体的な不調や、生活が仕事一色になってしまい、プライベートを楽しむための時間が持てないことによる精神的な不調があります。

場合によっては、家族との時間が失われて家族との関係に問題が生じるなど、より大きな問題を引き起こす可能性も考えられるでしょう。

睡眠のトラブル

過労やストレス、長時間労働によって生じた心身の不調は、睡眠トラブルの原因にもなります。具体的な症状としては、眠りたいのに寝付けなかったり、眠ってもすぐに目が覚めてしまったりなど考えられます。

睡眠にトラブルを抱えると、心身の疲労回復ができず、仕事でのパフォーマンスや生産性が低下します。思いがけないミスやトラブルも招きやすいことから、企業の利益の観点からも忘れずに取り組みたい課題です。

不規則・偏った食事

食事は健康の基本です。一方で、あまりにも日常的な行為であるために、ついおろそかにされがちなのが食事でもあります。

食事が不規則になったり、偏った内容になったりした場合、体内の栄養バランスが崩れます。適切に栄養がとれていない以上、心身の不調を招くのも無理はありません。

なお、食事にまつわる課題は、その多くが業務の多忙さや、食事の選択肢が限られていることに原因があります。積極的に状況の改善を計ることで、狙い以上の効果が期待できるかもしれません。

人間関係

多くの企業が潜在的な課題として抱えながら、改善が容易ではないのが人間関係にまつわる課題です。

人間関係にまつわる課題は、パワハラ、セクハラ、モラハラをはじめ、その内容が複雑かつ多岐にわたります。また、上下関係に関係しがちで表面化しにくいため、改善が困難になりやすいのも大きな特徴です。

人間関係の良し悪しはメンタルヘルスに特に大きく影響することから、ウェルビーイングを考える上で避けて通れない課題といえます。

キャリア形成

終身雇用制度が過去のものとなりつつある近年、キャリア形成について真剣に考える人が増えています。

企業が従業員にスキルアップの実感ややりがいを与えられない場合、従業員満足度や従業員エンゲージメントは低下し、仕事に対するモチベーションも保てなくなってしまいます。

これからの企業には、従業員1人ひとりの適性に注目し、スキルや経験を積める仕組みを用意するなど、従業員のキャリア形成をサポートする姿勢が求められているのです。

ウェルビーイングの実践方法

企業が実践できるウェルビーイングの取り組みにはさまざまなものがあり、業種によっても異なります。ここでは、比較的どのような業種でも実践しやすく、高い効果が期待できる主な取り組みについて紹介します。

オフィス内の環境整備

オフィス環境は、従業員のウェルビーイングに直結します。不潔だったり、設備があまりにも老朽化していたりでは、職場にいることそのものがストレスとなってしまいかねません。

具体的な取り組みとしては、清掃業者の導入や照明やエアコンのチェック(買い換え)、騒音対策、デスク配置の見直し、休憩スペースの設置などが挙げられます。

健康サポートプログラムの提供

従業員の健康をサポートするプログラムの用意、提供も、企業が実践しやすいウェルビーイングにまつわる取り組みの1つです。

具体的には、健康診断の実施、ジムなどの利用費補助、食事指導、産業医の設置などが挙げられます。

ストレスチェックの実施

目に見えない従業員のストレスを把握する方法として、ぜひ実施したいのがストレスチェックです。ストレスに関連する設問へ回答してもらうことで、従業員1人ひとりが抱えるストレスへの対処が可能となります。

なお、労働安全衛生法の改正により、2015年12月以降、50人以上の労働者がいる事業場では年1回のストレスチェックが義務づけられています。

参考:厚生労働省|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト|ストレスチェック制度について

勤務体制の見直し

ウェルビーイングが意味する「あらゆる面で満たされた状態」を実現するには、ワークライフバランスを整えることが必要不可欠です。過剰な業務量や長時間勤務が慢性化しているようであれば、勤務態勢の根本的な見直しを図る必要があります。

具体的な施策としては、定時退社や有休取得の推奨、フレックスタイムやテレワークの導入などが挙げられます。

従業員間のコミュニケーション推進

企業が抱える人間関係の課題を克服する手段としておすすめなのが、従業員間のコミュニケーションの推進です。

例えば、普段は接点のない他部署の人とランチを共にする「シャッフルランチ」などを制度として導入することで、企業内の横のつながりが広がり、自然な形で悩みやトラブルを抱えた際のセーフティネットを構築できます。部署の垣根を越えた人間関係は、スムーズな業務の遂行や新しいアイディアの発掘にも役立つでしょう。

福利厚生の提供

ウェルビーイングを効果的に実践するのなら、ぜひ検討したいのが福利厚生の提供です。従業員の健康に役立つ施策を福利厚生として提供することにより、企業側、従業員側双方に税金や保険料の負担なくウェルビーイングの実践が可能となります。

具体的なウェルビーイングに関連する福利厚生としては、健康診断、家事代行サービスの補助、託児サービスの補助、懇親会の補助、食事補助などが挙げられます。

食事補助で人気の「チケットレストラン」

従業員の健康の土台となる食事をサポートする福利厚生として、近年特に注目を集めているのがエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。

「チケットレストラン」は、提携店舗での食事や飲食の購入が従業員負担半額で利用できるサービスで、利用する時間や業種を問いません。2023年3月にはUber Eatsとも提携し、全国約25万店での利用が可能となりました。

2000社を越える導入企業から高い評価を得ている、効果的なウェルビーイングの取り組みとしてぴったりのサービスです。

企業にとってメリット大のウェルビーイングに取り組もう

ウェルビーイングは、「身体」「精神」「社会」のあらゆる側面から満たされた状態を指す言葉です。企業がウェルビーイングの実現に取り組むことは、すなわち従業員にとって働きやすく魅力ある企業になることであり、同時に企業価値の向上に役立ちます。

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」の導入をはじめ、可能な取り組みから実践し、企業としてのイメージ向上や業績向上を目指してみてはいかがでしょうか。

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